moontopazのブログ

非日常の感動とワクワクは好奇心とほんの少しの勇気から始まる。好きな事に邁進してなりたい自分になろう!

心よりご冥福をお祈り致します。

f:id:moontopaz:20201027194831j:plain

24日土曜日のもう一つの両神山登山の話です。

 

昨日は人が多くなると人はエゴが出やすくなるお話をしました。

 

その一方、登山では頑張って登っている姿を見ると応援したくなります。

 

24日、登山開始後、川の渡渉ポイントがありました。

 

一人の男性がその渡渉にとても手惑い長い時間をかけやっとジャンプ!

でも結局川にドボンと足が入って濡れてしまい、

ペットボトルは川に落ちてしまいました。

 

(濡れてしまった片足可哀そうだなぁ)

しかしその方のお顔を見ると笑顔でした。

 

お歳は70代後半くらいのおじいさんでした。

 

どうぞお先にと言って通してくれました。

息を整えてから登山開始するのかなと思い私達は進みました。

 

(ん?あのおじいさんはソロなのかな?)とその時気がつきました。

 

そして私達が下山していると、

なんと、あのおじいさんが木の根を難儀しながら登っていました。

(えっ?まだこんな所にいたの?)

 

生まれたての小鹿の様な足取りですんなり登れない様子をじっと見つめながら、

私は思いました。

 

(このおじいさんはこの足取りでは遅すぎて下山する頃には真っ暗になってしまう、ここから引き返さないと間に合わないし、一人では足をくじいてしまったりするかも、誰かが一緒にいなくてはだめだな)と思いました。

 

おじいさんが木の根を登りきり、満面の笑顔でこちらに顔を向けた時に

「こんにちは。大変でしたね。これから先も大変ですから、ここから私達と一緒に下山しませんか?」と声を掛けました。

 

私達は下山予定時刻は15:00です。

 

このおじいさんを連れてならば

きっと17:00の日暮れまでに間にあえば良い方だなと思いましたが、

このおじいさんを一人にしておけないと覚悟を決めた発言でした。

 

 

すると、おじいさんは「山頂は・・・」などとまだ先へ進みたい発言をしたので、

私の彼が「山頂はまだまだですよ」と彼も同じように

私達と下山する事を再度勧めました。

 

「もうすぐ鎖場があるから危ないからだめですよ」と言ったら、

「その手前で引き返す」「尾根まで行きたい」と言って

おじいさんは進む事を選びました。

 

私達は下山中も下山後も翌日の早朝もおじいさんが無事に下山したか気になっていました。

私は翌日起きてすぐおじいさんの姿が脳裏に浮かびそわそわする気分でした。

 

そして本日27日朝、今日も笑顔で頑張ろうと思い会社に着き、

ネットニュースで両神山で遭難した方が亡くなった記事を目にしました。

 

絶体に出て欲しくなった記事でした。

 

私はある方法でその亡くなった方が私が助けたかったおじいさんである事を確認しました。

 

その後、私は後悔の想い

(あの時無理やりでも私達と一緒に下山していれば・・・・。)

今日は一日、この一言が頭にリフレインしていました。

 

でも、もう遅いのです。

 

なので、今後、このような登山者に出会ったら本人に拒否されても無理やりでも一緒に下山しようと思いました。

 

亡くなってしまったおじいさんは家族が反対しても

山へ行きたいと言っていたそうです。

 

山登りが本当に好きだったのでしょう。

 

木の根を生まれたての小鹿の足取りでやっと登り切り顔を上げると満面の爽やかな笑顔でしたから。

あそこまであのお歳で登った事も大変だっただろうに。

 

お一人で下山中、足を挫き、

道迷いし、

真っ暗の中、

寒いし、

滑落し、

痛かっただろうに

どんなに不安だった事でしょう。

どんなに奥様のいるご自宅に帰りたかったでしょう。

 

力不足でごめんなさい。

 

 

 

“山登りが大好き、山が好き”がにじみ出ている素敵な笑顔のおじいさんでした。

 

心よりご冥福をお祈り致します。