一期一会で会った時は「親切」と「笑い」を
2週間経過していてもまだ、思い出し笑いをしてしまうエピソード。
登り始めて3時間強、最初のピークハント文殊岳(2005m)へ到着。
お二人の男性がお食事休憩されていました。
文殊岳と書かれたの標識の脇に立って彼と記念の写真を撮ろうと
自分のカメラを石の上に置き、さらに周りの小石も探して方向が合わないか調整して、
セルフタイマーにして撮影してみた。
「カシャッ」
カメラに戻り確認すると被写体が画面から見事にずれていて失敗していた。
「だめだ~」とつぶやくとパンを食べていた男性が、
「撮ってあげるよ」と近づいてきた。
私は「いや~お食事されている所悪いですよ~」と恐縮したが、
すぐにその男性は
「おちおち食ってらんね~よ」と言って手をカメラの方へさし述べた。
突然のべらんめぇ口調にびっくりしたけど、
行動はそのべんらんめぇ口調とは程遠い自分の食事も中断してまでの親切行動だ。
ここでもう、すでに笑えるのだが、
私は「じゃ、お願いします。」と言いカメラの操作方法を男性に伝え、
彼の横に並ぶとそのカメラを持った男性は
「美男美女だからアップがいいなぁ」と今度はリップサービスまで出たのだ。
笑える。
そして、撮影が終わり男性はカメラを戻し再びパンを食べに戻って行き、
私が「ありがとうございました」と言うと男性はパンを食べながら
「1,000円な!」と言いました。
まさかの返答に私は笑うだけで上手な返しができなかった所、
すかさず私の彼が
「分かりぁした~⤴振り込んでおきます⤴」と返した。
まるで漫才のような上手な返しである。
流石は私の彼氏。
自分の食事を中断してまでも、私がセルフタイマー撮影が思うようにいかない様子を見ていて、腰を上げてくれた親切な男性。
なのに、照れ隠しなのか、口調はべらんめぇで面白い。
でも撮影中はリラックスさせようとしたのか私達を褒める。
そしてパンの元へ戻ると、まさかのお金請求発言で笑わせる。
まじめな顔で言うこのギャップが面白い。
こんな面白い人は貴重です。
自分より若い登山者に知ったかぶりを(聞いてもいないアドバイス)する人って良くいますが、
そんな自己中さんよりも、このようなユーモア溢れるジョークをまじめな顔で飛ばせる登山者の方が印象的だ。
だって、もう2週間も経過しているのにまだ思い出し笑いで私を笑顔にしてくれるのだから。
行動は「自分の事をさて置きの親切」
口調は「べらんめぇ」
人は言葉だけではない、行動こそが真実を伝えてる。
一期一会で会った登山者に知ったかぶりを言う年配者はいるが、
「親切」と「笑い」を与える事のできる登山者の方が魅力的だ。